日母石川医報新年号新春随想「DOD」
金沢医科大学産科婦人科学教室
高林晴夫
『現在、デジタル情報通信革命が地球的規模で急速な勢いで進行中である。その中核、実体はインターネットである。インターネットの普及により既存の文化的、社会的、経済的基盤が急激に変化し、再構築されようとしている。 われわれの医療、医学教育、医学研究の現場でもその環境、基盤が旧来とは一変することは避け難く、そうした変化に速やかに適切に対応してゆくことは産婦人科医療、周産期医療においても緊要な課題と考えられる。 わが国でもインターネット、パソコンが家庭にまでかなり普及しつつあり、近い将来にインターネットがグローバルな通信インフラとして一般的に活用されるものと思われる。 一方、医療において遠隔医療のニーズは高く、遠隔医療の導入は加速度的に進むものと考えられる。従って、母児情報を双方向にいつでも、どこからでもやりとりできるシステムが出現すれば、周産期医療における革新となり得る。』
といった考えで、現在われわれは「DOD」プロジェクトの一端に取組んでいる。DODとは、医師も患者もいつでも、どこにいても簡単、双方向に医療情報、生体情報をやりとりでき、医師、患者双方に肉体的、精神的、経済的負担が大幅に軽減されることが期待されるシステムのことで、Doctor On Demand(いつでも、どこでも主治医)の略である。われわれと類似の発想は国内外でみられないわけではないが、それらは独自の閉鎖的なシステム構築を指向したものが多く、他のシステムとの互換性、相互乗入れを念頭において最初からシステム開発をすすめているものがみられないようだ。われわれは、はじめからオープンなシステム開発を構想し電子カルテとの一体化をも念頭においてプロジェクトに取組んでおり、最もグローバルレベルに実現性の高いシステムと考えられる。
当面の具体的な研究課題は、以下の通りである。 1 ポータブル、小型のトランスデューサ(センサー)の開発。 2 Mac, Windows に対応したトランスデューサインターフェイスの開発。 3 生体情報の処理ソフトの開発。 4 データ送信方式の標準化。
とはいってみても、実際には未だ初夢状態で「DOD」プロジェクトは緒についたばかりである。そんなことをなにもわれわれが、首を突っ込まなくてもいいようなものだが、 ことの成りゆきで乗りかかった船、行きがかりだからまぁーしょうがない。と覚悟をきめている。21世紀早々には、遠隔医療はかなり大きなウェイトを占めるものと予測している。
プロジェクトメンバーは現在のところ、約10人からなる少数精鋭の異業種、混成グループである。皆、手弁当状態での組織を離れた自由意思によるプロジェクト参加で、どこへ進むのか心配、不安な反面、朧気な期待感もあるのではあるが。それはともかくNPO (Non Profit Oraganization)として、プロジェクトを進めようかとわいわいがやがやいっているところだが、さてどうなることでしょうか。いまのところ、2年以内を目標に安定した信頼性の高いシステムを開発する予定で、具体的な研究成果を報告できるよう算段している。
これだけでは、ちょっと説明不十分でしょうが、もし「DOD」プロジェクトにご関心があればご一報ください。詳しくご説明申しあげます。