染色体分析
- 染色体G-分染色(G-Band)
一般の染色体分析では染色体標本をG-Bandによって染色し,顕微鏡下及び
写真撮影による核板分析によって行われる. 顕微鏡下では染色体数や比較
的大きな染色体構造異常のチエツクが行われる.
- 染色体の核型分析
1)の染色体を並べたもの. 正常女性の核型で, 46,XX.
並べ方は国際規約に則っている. ほぼ大きさ順である.
1-3がA群, 4-5がB群, 6-12及びXがC群, 13-14がD群, 16-18がE群,
19-20がF群, 21-22がG群と分けられ, また その分染(Band)パターンにより
各染色体ナンバーに並べられる. Y染色体の大きさには個人差がある. (D群-G群)
- 正常男性の核型. 46,XY
- Down症候群の染色体. 47,XY,+21
21番染色体が3本認められる. 21トリソミー.
精神運動発達遅滞の原因として最も高い頻度で観られる染色体異常である.
- 21番染色体と14番染色体の転座
このタイプはロバートソニアン型転座といわれる.
あるDown症児の母親に観られた染色体異常で, 児は転座型Down症.
親の染色体異常に起因したDown症で, このタイプの染色体異常は
Down症候群の約4-6%にみられる.
- 9番と13番染色体の相互転座から生じた13番長腕のトリソミー
染色体異常は21番ばかりとは限らない.
奇形と発育障害を持つ児に9番染色体に異常が認められ, 両親の染色体検査を
行ったところ, 片方の親にt(9;13)が認められたという症例.
看児に染色体構造異常が観られた場合は染色体異常の診断と
その遺伝相談においても絶対重要である.
- 3番と11番の相互転座
習慣性流産の夫妻に観られた異常.
家系内に特に異常児が観られなくとも, 習慣性流死産の原因のひとつとして
染色体異常がある. (ある検査センターの分析によれば2回以上の流死産のある夫婦
113組のうち11組に染色体異常(すべて相互転座)が認められている.
- Fragile(X) 症候群
80年代に入って話題となった小児の知能障害の原因として, 21トリソミーに
次いで頻度が高い染色体異常. (ある検査センターではまだ一例しか経験していない.
北陸では頻度が低いのではと諦めている.)
X 染色体の長腕端部が切れたように見えるので Fragile と呼ばれるように
なる.
家族性に発生. 当初, 男児の知能障害で観られると言われたが, 女児の症例
も報告された.
その後, 分子生物学的研究も進み現在では, DNAによる保因者診断や出生前診
断も可能.